サステナビリティ経営み


メッセージ

代表取締役 社長執行役員 滝 一夫

サステナビリティ経営の
強化に向けて

 タキヒヨーグループは、1751年に創業以来、「信用第一」、「謙虚利中」(常に謙虚に周りの意見を受け止める)、「客六自四」(相手の立場に立ち、その利益に貢献する)、を普遍的な経営哲学とし、また経営理念である「われわれは夢のあるおもしろい企業を創り心の豊かな社会をめざします」に基づき273年にわたり事業を展開して参りました。
 現在、サステナビリティ(持続可能性)は、全世界共通の取り組み課題となっております。
 タキヒヨーグループにおいても、サステナビリティの重要領域である環境への配慮、人権の尊重などは、企業活動を展開していく上で必要な条件であり、経営哲学および経営理念と軌を一にするものととらえております。
 タキヒヨーグループのコア事業である生地・繊維製品の取り扱いに関しては、繊維産業特有の国内外に及ぶ長くて複雑なサプライチェーン全体のマネジメントや供給過多に伴う大量廃棄問題など対処すべき課題が数多く存在します。
 こうした課題に的確に対応すべく、タキヒヨーグループは「サステナビリティ基本方針」を策定し、グループ一丸となってサステナブルな社会の実現と企業価値向上の両立を目指して参ります。

タキヒヨー株式会社
代表取締役社長執行役員
サステナビリティ経営み
滝 一夫


サステナビリティ経営 概念図

タキヒヨーグループ サステナビリティ基本方針(Sustainability Policy)

タキヒヨーグループ サステナビリティ基本方針(Sustainability Policy)

経営哲学および経営理念

 タキヒヨーグループは1751年に創業以来、「信用第一」、「謙虚利中」(常に謙虚に周りの意見を受け止める)、「客六自四」(相手の立場に立ち、その利益に貢献する)、を普遍的な経営哲学として、273年にわたり事業を展開して参りました。
 また経営理念である「われわれは夢のあるおもしろい企業を創り心の豊かな社会をめざします」に基づき、自然と文化へ貢献すること、社会に夢とゆとりを贈ること、一人ひとりを大切にし才能を活かすことなどを経営の中心に置いて参りました。そしてこれらの経営哲学や経営理念は、現在のCSR(企業の社会的責任)推進、さらにサステナビリティ経営※1にもつながるものと考えております。

※1 サステナビリティ経営:環境・社会・経済の持続可能性への配慮により、事業の持続可能性向上を図る経営

サステナビリティ経営に関するスタンス

 こうした中で、タキヒヨーグループを今後も持続発展させ企業価値を高めていくためには、気候変動・廃棄物・水資源など地球環境への影響、人権・多様性・労働環境などの社会課題への対応の視点を企業活動のあらゆる局面で考慮していくことの必要性が一段と高まっているものと考えております。そして、タキヒヨーグループの持続発展が社会全体のサステナビリティすなわち持続可能な社会の実現に貢献していくことが求められていると考えております。
 以上の認識に基づき今般、「タキヒヨーグループ サステナビリティ基本方針」を策定し、タキヒヨーグループは、仕入先さま、得意先さまの協力を得ながら、また消費者の皆さま、投資家の皆さまからも評価いただけるよう、全てのステークホルダーのご理解をいただきながら、全社を挙げてサステナビリティ経営の実現に取り組んで参ります。

重要課題と取り組みの方向性

 取り組みに当たっては、繊維業界の特徴も踏まえ、重要課題として「製品の輸入依存度が高い上に、長く複雑で分業化されたサプライチェーンにおける、環境影響や人権問題への配慮」、「環境に配慮した製品の開発と提供および国際認証取得に向けた環境整備」、「製品のリサイクル※2やアップサイクル※3を通じた循環型経済への貢献」、「デジタルを積極的に実務に取り入れ、非効率な仕事を軽減していくとともに、在宅勤務やリモート手段の活用などによる社員の働き方改革の推進」などに特に力点を置いて参ります。
 また、全社一丸となってこうした課題へ取り組むに当たり、新たに社長直轄の「サステナビリティ委員会」を発足し、取組課題の設定、取組状況のフォロー、国際機関やNPOなど外部とのコミュニケーション強化などを通じ全社的な意識と知見を高め、結果に結びつけて参ります。
 併せて「サステナビリティ基本方針」における重要課題に関し、「人権方針」・「調達方針」(現在の「タキヒヨーCSR調達ガイドライン」の改訂)・「環境方針と目標」を策定いたします。

※2 リサイクル:不要になった製品を一旦資源に戻し、それを原材料として新たに製品をつくること。
例えばペットボトルを原材料として繊維に変え衣類にすること

※3 アップサイクル:不要になった製品の特性を活かしながら手を加えて価値をアップさせた製品につくりかえること。
例えばデニムを裁断して原材料とし、スニーカーのアッパーやエコバッグにすること

  • 人権方針
  • 環境方針
  • 調達方針

タキヒヨーグループ 人権方針(Human-Rights Policy)

タキヒヨーグループ 人権方針(Human-Rights Policy)

 タキヒヨーグループは、事業活動の全ての領域において、全役職員が人権への理解を深め適切な行動と対応に努めて参ります


人権に対する基本的な考え方

 タキヒヨーグループは、人権や労働に関する国内法はもとより、事業活動に関係する地域や国々の法令を遵守するとともに、国連をはじめとした国際機関および日本政府から示された人権規範を支持し実践に努めて参ります


事業活動を通じた人権の尊重

 タキヒヨーグループは、個人の多様な価値観、個性、プライバシーを尊重するとともに、人種、民族、国籍、出身地、性別、健康状態、障害の有無などを理由とした差別、職種や雇用形態の違いに基づく差別を一切行いません


人権に関わるリスクの把握と対処

 タキヒヨーグループは、事業活動を展開するに当たり、直接的または間接的に、あるいは顕在的または潜在的に、意識の有無によらず人権に影響を及ぼす懸念がありうることを念頭に置いて参ります。そして原材料や副資材の調達、紡績、製織や編立、染色整理やプリント、縫製、物流、出荷、販売など全ての工程(サプライチェーン)において、人権に関する課題の把握に努めるとともに、人権に対する悪影響の予防に努め、悪影響が生じていることが判明した場合は、必要かつ適切な措置を講じ、その実施状況を見極めることにより責任あるサプライチェーンを築いて参ります

タキヒヨーグループ 環境方針(Environment Policy)

タキヒヨーグループ 環境方針(Environment Policy)


基本理念

 タキヒヨーグループは、地球環境の保全が人類共通の重要課題であることを認識し、企業活動のあらゆる面において、地球環境の継続的な改善に配慮して行動します


環境方針

 タキヒヨーグループのコア事業は、繊維製品の企画開発・生産および販売であり、以下に基づいて環境マネジメントシステム※1の継続的な改善を繰り返し、環境保護に貢献していくこととします

(1)タキヒヨーグループは、事業活動および取扱製品の環境に与える影響を評価し、重要な項目について、技術的かつ経済的に可能な範囲で目標を定めて実施し、その結果を検証し、環境に対するパフォーマンスを向上させるため、環境マネジメントシステムの継続的な改善を図って参ります
(2)タキヒヨーグループは、事業活動の展開に当たり、環境に関する国内外の法令を遵守いたします
(3)タキヒヨーグループは、事業活動の全ての段階を通じ、以下の項目に優先的に取り組むことにより、環境保全に貢献して参ります
  1. 1.環境に配慮した製品の開発および提供
  2. 2.資源リサイクルの徹底
  3. 3.電気エネルギー等の使用効率の向上
(4)タキヒヨーグループは、全役職員に対し、環境に関する教育および意識向上のための活動を実施して参ります

※1 環境マネジメントシステム:企業活動に当たり環境に与えるリスクおよび環境から受ける機会に対する企業の取り組みを計画し、成果を検証、改善していくための仕組み


環境目標

(1)不良発生の低減による業務の効率化
タキヒヨーグループは、企画開発・生産および販売した製品に発生した不良について、徹底的に原因を追究するとともに、原因に対して的確で有効な手立てを講ずることによって不良発生率の低減に努め、サプライチェーン全体の業務が効果的であり効率性が高まるよう取り組んで参ります
(2)資源や廃棄物の削減・再利用
タキヒヨーグループは、不良品について、サーマルリサイクル※2やケミカルリサイクル※3を活用するとともに、縫製工場において発生する裁断くずや得意先、消費者から回収した使用済みの商品のリサイクルやアップサイクルに取り組み、循環型経済の実現に貢献して参ります
(3)快適かつ効率的な職場環境の整備
タキヒヨーグループは、適正な時間管理を徹底し、時間外労働の削減や有給休暇の取得促進に取り組むとともに、デジタル技術を積極的に取り入れることによりペーパレスおよびテレワークを推進して参ります。併せて事務所スペースの削減を進め、空調や照明で消費される電力エネルギーの使用を削減して参ります

※2 サーマルリサイクル:廃棄物を焼却した時の熱エネルギーを再利用する手法

※3 ケミカルリサイクル:廃棄物を高温で熱分解したり化学的に分解することで合繊原料として再生する手法であり、ポリエステル混率が高い製品のリサイクルに活用される

タキヒヨーグループ 調達方針(Procurement Policy)

タキヒヨーグループ 調達方針(Procurement Policy)

 タキヒヨーグループは、原材料や副資材の手配、紡績、製織や編立、染色整理やプリント、縫製、検品、物流など調達に関わる全ての工程(サプライチェーン)において、人権の尊重および環境への配慮、法令順守などを徹底し、調達に関わるステークホルダーの協力を得ながら、サプライチェーン全体の最適化に取り組んで参ります


人権の尊重

 タキヒヨーグループは、サプライチェーン全体を通じて人権を尊重し、国内外の法令を遵守するとともに、国連をはじめとした国際機関および日本政府から示された人権規範を受け止め実践に努めるとともに、職場の安全性向上と衛生環境の整備に取り組んで参ります


環境への配慮

 タキヒヨーグループは、サプライチェーン全体を通じて環境に配慮し、国際機関の指導や法令等で使用が禁止されている有害物質を含有した製品の不使用に取り組むとともに、排出物や廃棄物の適正な管理状況についても注視して参ります


法令順守

 タキヒヨーグループは、サプライチェーン全体を通じて優越的な地位の乱用や競争制限的な行為の排除に取り組むとともに、機密情報や個人情報の漏洩防止、知的財産権の保護について厳正に取り組んで参ります。また製品の安全性確保と品質の向上、正確な製品情報の提供に取り組んで参ります

サステナビリティプロジェクト
TAKIHYO Sustainability Project
-Waste is not waste until wasted.-


NO WASTE PROJECT(ノーウエイストプロジェクト)

 NO WASTE PROJECT(ノーウエイストプロジェクト)
NO WASTE PROJECTとは

 アパレル製品を作る際にどうしても発生してしまう生地の裁断くずを回収し、粉砕して繊維に戻し、再紡績して糸や生地、商品に生まれ変わらせる「全て無駄にしない」をコンセプトに構築された循環システムです。

導入事例

株式会社しまむらさま
株式会社しまむらさま
 株式会社しまむらさまのサステナビリティへの取り組みの一環として、NO WASTE PROJECTのスキームで生まれたサステナブル素材「REECOTTE(リーコット)」を使用した商品を協同で企画し、全国のファッションセンターしまむらおよびオンラインストアで販売されました。
株式会社スノーピークさま
株式会社スノーピークさま
 「使い捨てではなく循環する洋服を」という考えから誕生した、株式会社スノーピークさまが新たに取り組むサステナブルプロジェクト「UPCYCLE COTTON PROJECT(アップサイクル コットン プロジェクト)」にパートナー企業として参加し、NO WASTE PROJECTのスキームを使ったリサイクルコットンを使用したデニムや、スウェットシリーズを企画し販売しています。本「UPCYCLE COTTON PROJECT」は2022年度のグッドデザイン賞を受賞しました。


THE NEW DENIM PROJECT®(ザ ニュー デニム プロジェクト)

 THE NEW DENIM PROJECT®(ザ ニュー デニム プロジェクト)
THE NEW DENIM PROJECT®とは

 「THE NEW DENIM PROJECT®」は中米グアテマラにある紡績会社セントラルアメリカテキスタイル社が、地球への負荷を極力減らした持続可能な素材開発を目指してスタートした、デニムを裁断した後の残布やアメリカから輸入された再販できない古着、紡績の際に出る落ち綿を再度紡績し、さまざまな商品として生まれ変わらせるプロジェクトです。再紡績の際に出る落ち綿も、コーヒー農園でオーガニックコーヒーの肥料となるクローズドループプロセスとなっています。当社は2018年より日本でのディストリビューター契約を締結し、国内での販売を開始しています。

導入事例

コンバースジャパン株式会社さま
コンバースジャパン株式会社さま
 環境に配慮したエコ素材を実験的に使用し紹介する、サステナブルなシリーズ「CONVERSE e.c.lab(コンバース イーシーラボ)」から、THE NEW DENIM PROJECT®のアップサイクルデニム生地をアッパーに使用したスニーカー「ALL STAR THE NEW DENIM PROJECT OX(オールスター ザ ニュー デニム プロジェクト OX)」が、コンバースジャパン株式会社さまから発売されました。


BRING Material(ブリングマテリアル)

 BRINGTM(ブリング)
BRING Materialとは

 タキヒヨー株式会社はBRING Materialを使用したOEM製品を製造するBRING Material Authorized OEM partnerとしてOEM受託を行っています。
BRING Materialは、繊維産業の紡績/紡糸工場などで発生する糸くずや消費者から回収した使われなくなった服などを原料にした再生ポリエステル樹脂や糸、生地などのサスティナブル素材の総称です。
BRING | 株式会社JEPLANが様々なブランドと協力して、BRING Materialの原料となる使われなくなった服や工場由来の繊維を回収しています。

導入事例

株式会社髙島屋さま
株式会社髙島屋さま
 株式会社髙島屋さまがBRINGとパートナーシップを組み、サステナブルな循環型社会の実現を目指して始めた株式会社髙島屋さまのプロジェクト「Depart de Loop(デパート デ ループ)」において、当社のBRING Materialを使用した製品の生地の提供をしました。
株式会社キャンさま
株式会社キャンさま
 株式会社キャンさまのブランド「Lugnoncure」の2022 Winterコレクションにおいて、当社のBRING Materialを使用した製品が採用されました。


HIGHLACT®(ハイラクト®

HIGHLACT®(ハイラクト®)
HIGHLACT®(ハイラクト®)とは

 「HIGHLACT®」は、ハイケム株式会社が開発したトウモロコシ由来のPLA(ポリ乳酸)から生まれた次世代のサステナブル素材です。生分解性プラスチックであるPLAは、原料となる植物の育成過程でCO2を吸収するため、焼却の際にCO2を排出しても理論上差し引きゼロとなるカーボンニュートラルな素材として注目されています。さらに、使用後は一定の条件下で水とCO2に分解されるため、環境への負荷を大幅に低減することができます。
当社は、2022年1月よりハイケム株式会社と戦略的提携基本契約を締結し、HIGHLACT®の国内外への展開へ向けた取り組みを開始しています。


社会貢献

東日本大震災の復興支援活動

 アート・フードを通して被災地を支援するGAMAROCK FES(宮城県塩竈市)を応援しています。当社の有志社員が、フェイスペイントなどのイベントを開催し、一人でも多くの方々に塩竈市の魅力を伝え、街を元気にする活動をしています。

東日本大震災の復興支援活動

Happiness(ハピネス)

 「ファッションを通じて人を幸せにしたい」という活動理念のもと発足したプロジェクト「Happiness(ハピネス)」は、当社製品の寄贈や、有志社員による児童養護施設の児童と交流を図るワークショップを開催するなど、地域社会への貢献と社員教育を主な目的として心の豊かな社会を創る様々な活動を行っています。

Happiness(ハピネス)

若草プロジェクト

 小説家の故 瀬戸内寂聴氏、厚生労働省元事務次官の村木厚子氏らが代表呼びかけ人となって始めた、生きづらさを抱えた少女や若い女性を支援する「若草プロジェクト」に共感し、有志で支援を行っています。
 一人ひとりに手書きのメッセージを添えた衣類の寄付や、服に親しむワークショップなど、タキヒヨーだからこそできる支援のかたちをさぐりながら活動を続けています。

若草プロジェクト

Tweed Run Bishu(ツイードラン尾州)

 イギリス発祥のファッションと自転車のイベント、ツイードランを応援しています。ドレスコードのツイードを着て、自転車で走るイベントで、ウールの産地である尾州産地(愛知県)を支援し、ファッション産業の活性化に繋げています。ベストドレッサー賞を決めるコンテストでは「タキヒヨー賞」として、当社オリジナル製品をプレゼントしています。

Tweed Run Bishu(ツイードラン尾州)

PAGE TOP