当社は、「衣食住」の中での「衣」の分野を主力事業としており、生地から製品まで、製品もベビーからキッズ、レディス、メンズなど幅広く取り扱っています。
当社の社名をご存じない方も多いかと思いますが、大手衣料品専門店から、大手量販店(GMS)、百貨店やショッピングセンターのブランドやショップ、通販など、幅広い小売業者に年間4,500万枚を超えるアパレル製品を卸しており、多くの方が知らず知らずの間に当社が関わった製品に触れていらっしゃるのではないかと思います。
従来型の商社のメイン機能である取引の仲介、トレーディング業務にとどまらず、私たちは自らトレンドや季節に合わせた売れ筋商品を企画·デザインし、旬の商品を迅速に提案·生産·お届けできる体制を備えています。
また、製品だけでなく、国内アパレルメーカーや国内外の有名ブランドに生地の企画·卸売も行っています。特に、近年、欧米の有名ブランド向けの生地の輸出が拡大しています。
お取引先さまの課題や潜在的なニーズを分析し、仮説を立てて企画提案·生産·物流まで一貫して担える“創る”商社であることが私たちの特徴です。
私が大切にしているのは「Passion=情熱」です。何に挑戦するにも「絶対にやりたい!」「これが好きだ!」というPassionがなければ成し遂げることはできません。情熱を持ってものづくりを深化させ、進化していくことが、未来を形作っていくと考えています。
タキヒヨーには固定観念にとらわれず、自由な発想で新しいアイディアを生み出せる「タキヒヨーらしさ」があると感じています。この「タキヒヨーらしさ」の源泉は「余白」です。「余白」が自由闊達な風土を創り、そこから生まれる創造性こそが私たちの強みなのです。
「タキヒヨーらしさ」の芯をぶれさせることなく、ますますスピードが増す時代の変化にしなやかに対応し、持続可能な成長を目指します。
海外販売への取り組み、生産拠点の拡大、品質管理センターの立ち上げ、国内売上拡大のための組織づくりなど、さまざまなことに取り組みました。
2015年9月には、欧米の有名ブランドへの生地販売をさらに強化するため、世界的な生地の展示会「プルミエール・ヴィジョン・ファブリック」に初出展しました。これをきっかけに、当社のものづくりに対する世界的な認知度が向上し、名だたるブランドとの取引が拡大しました。さらに、2018年にオープンしたパリのショールームおよび2022年に上海にオープンしたショールームを拠点として、販路開拓に注力しています。
当社が掲げる「グローバルチャレンジ」としては、まだ道半ばではありますが、今後の挑戦にぜひご期待ください。
2024年2月期は、連結売上高577億円、連結営業利益7億円、当期純利益7億円となり、4期ぶりに最終利益でも黒字化を果たしました。外部環境の大きな変化によって明らかになった、当社が抱える構造的な問題に長らく苦しみながらも、ようやく復活の光が見えたのは、社員一人ひとりの「気づき」が大きかったと感じています。
長年にわたり組織全体に染みついた習慣を疑うのは簡単なことではありません。自省を繰り返し、一つひとつの商売に真摯に向き合いながら、当たり前のことを当たり前に行う日々の積み重ねが、今期の業績に結び付いたと考えています。
当社の創業は1751年、呉服商に始まります。長い歴史の中では、呉服から洋服の時代へ、取扱いの主力も生地から製品へ、そして、生産も国内から海外へと大きな変化を経てきています。このような激動の歴史の中で常に当社を支えてきたのが、謙虚に商売をすることと、常に挑戦し変化しつづける精神であります。
その挑戦の精神を社内に浸透させ、社員一人ひとりが新しいことにチャレンジできるように支援をするのが私の役割であり、そして、私自らも先頭にたって新しい販路やビジネスを切り拓いていきます。
株主·投資家をはじめとしたステークホルダーの皆さまに、「おもしろい会社」だと感じ、持続的に成長する会社として期待を持ってご支援いただけるような企業を目指して参ります。